満月
怒りと悲しみの感情は似ている。
繋がっている。
私を一人ぼっちにするな、と、周りが見えなく、私だけの感情で、苛つき、人や物に当たってしまう。
この痛みを、どこかにぶつけたくなる。
傷つけたくなる。他人や自分を。
抑えられず、心が、他人への嫉妬心で燃え上がる。自分が恐ろしくなる。
なぜか昔から親近感のある大好きな月が、満月であっても、それは冷たく悲しいものに見えてしまう。
そして、いつでも、その怒りは悲しみに変えられるようになる。
怒りのような燃え上がる熱さはなくなるものの、悲しみは、冷たくて暗くてとても深い。
わたしの悲しみは、人と人との裏切りや不信感から来る、孤独感。
私を一人にしないで。
もう忘れてしまったと思っている、本当に事実だったのかも疑わしい寂しい思い出が、自然と感情に蘇ってくる。
ごめんなさい。と思う。
前を見られなくなる。
でもそれは、心の中のお話で、現実ここに生きている私は、案外強く、いつも通り動いている。
言葉にすることで、均衡を保たなければ、気がおかしくなってしまう気がするから。
水